田舎暮らしといえば。
古民家を自分たちでDIY、家賃0円で夢のマイホームゲット。お庭で家庭菜園なんか始めちゃったり。
はたまた、ご近所さんが次々に食べきれないほどの野菜やお米を持ってきてくれて食費はほぼかからないとか…。
夫の仕事の都合で自分が田舎に住むとなった時、さすがに家賃0円はなくとも、広ーいお家に破格の家賃で住めて、食費はほぼご近所さんが恵んでくれるもので賄えると思ってました。割と本気で。
そんな私の理想を打ちのめしてきた、田舎ならではの出費の数々をご紹介します。田舎暮らしを考えているそこのあなた。意外な落とし穴が待ってるかもしれませんよ?笑
- 田舎暮らしの思わぬ出費(修繕費、車関連、隣組など)
- 実際にかかった費用の目安
- 田舎生活の現実と対策のヒント
※この記事は体験ベースで少し長めです。「結論だけ知りたい!」という方は、最後のまとめに一覧表と初年度の合計費用を載せていますので、そちらまで飛んでください。
家の修繕費 単発(引っ越し時):25万
私が決めたお家は2階建ての戸建ての賃貸で月々48,000円です。
これだけ聞くとかなり安いと思われたでしょうか。
しかしそのお家があるのは山々の間の谷部分にある100人ほどの集落で、
・商店は集落の中で1つ(おばあちゃんが1人で経営)
・コンビニ、スーパー、薬局は車で10分(山を2つ越える必要があるので車必須)
・近所はほとんどおじいちゃんおばあちゃん
・集落からいちばん近い街にも本屋、図書館、映画館はなし
という状況です。この前提情報があると、見え方も変わってくるのではないでしょうか。
実際、私は家賃を聞いて「高いな」と思いました。
さらに古いお家だったので以下のような改修が必要でした。
・トイレがボットン便所である▶︎簡易水洗に
・エアコンが壊れている(そもそも2階にはエアコンがない)▶︎エアコン設置
賃貸なので、床の張り替えや水道漏れの修理は大家さんがやってくれましたが、自分たちで空き家を買って修繕するとなったらもっとかかったでしょう。
トイレは我慢できるなら改修の必要はなかったのですが、私が我慢ができなかったので改修しました。その時の話を書くとかなり長くなったので、別の回にします(近日公開予定)。
家の防寒対策 単発:10万円 年間:2万円
私の住んでいる地域は冬は雪が積もります。
日本家屋なので隙間風もすごく、エアコンだけでは防寒できないということで以下を買いました。
・ガスストーブ
・こたつ
リビングが20畳ほどあるので、ガスストーブもそれなりの大きさのものを購入。
ガスストーブは灯油で動くので、灯油代もかかります。
こたつは、ザ・こたつ!というものではなく、おしゃれなものにしたかったので
形は楕円形一択!(おしゃれと言えば!←偏見)
1週間、目がカピカピになるくらいスマホで検索し続けて、ようやく納得いくものを見つけました。
「もうこれ以上寒くなったら耐えられない!!」となる寸前の11月上旬のことです。
・・・いや、もう耐えられなくなってたかもしれません。届いた瞬間にコタツをつけた記憶があります。笑
隣組(となりぐみ)費用 年間:2万円
移住相談をしている際に担当の方から言われた言葉です。
「隣組というものに入らないといけない。詳しくは組長がいるはずだから聞いてみて。」
「隣組(となりぐみ)」「組長(くみちょう)」
「おどろおどろしい言葉やな・・・」と思いましたが、要は町内会のようなものです。
都会に住んでいる時にも自治会があったのですが、こちらは特に勧誘もなく入っていませんでした。
地方でも勧誘はないのですが、入るのは暗黙の了解になっており、無言の圧を感じます。
というか、手続きなく勝手に入ってました。
そして送られてくる区費の請求書。
私の地域は3ヶ月に一回5,000円で年間20,000円です。
ちなみに用途例として聞いていたのは「新年に皆で集まったときの飲み会費用になる」というもの。
「飲み代としては高くないか?」という心の声は一旦置いておいて、私は飲むのもパーティーも好きなので楽しみに自分の組長さんに聞いたら、
「年寄りばっかでもう飲めんよ」
って言われました。
・・・私たちの2万は何に使ってるんですか。(心の声)
トイレの汲み取り費用 年間:4万円
訳あってトイレは完全水洗にできなかったので、定期的に汲み取りに来てもらっています。
頻度は2ヶ月に1回で、1回あたり約8,500円。チリツモで結構な出費です。
汲み取り…正直、都会にいた頃は存在すら意識したことがなかった出費です。
一番びっくりしたのは、その支払いの仕組み。
申し込みはネットでできるのに、支払いは「集落唯一の商店へ行って、現金で支払い、シールを貼ったハガキを出す」という超アナログ方式。
商店の営業日時と生活リズムが合わず、なかなか支払いに行けない…。
最近、ようやく口座振替にしましたが、その手続きも平日に指定のゆうちょ銀行まで車で行く必要があり、共働き世帯にはなかなかのハードルでした。
そしてハンコを忘れて再度出直すという・・・(これは自分のせい)。
もっと手軽な方法があれば、と思わずにはいられません。
車関連の費用 単発:70万(うち、修理費:20万) 年間:17万
持ってきた車の車検が通らなかったので(爆笑)、車を買い替えました。
病院に行く時もスーパーや薬局に行く時も、コンビニへちょっとアイスを買いに行きたい時ですら車です。
地方は目的地までの距離も長いので、ガソリン代も都会よりかかります。
とはいえ、「まぁ、人間がいなくて走りやすいわ〜〜」と思っていたのも束の間。
夫が運転中に鹿とぶつかって、車のフロント部分がぶっ壊れました。
その数週間前に近所のおばあちゃんが鹿にぶつかった話をしており、「えぇ、大変ですねぇ!」なんて半ば他人事のように返していたのに、まさかこんな早く我が家もお世話になるとは・・・。
ということで、プラス20万で70万の計上です。
虫対策 年間:7,000円
田舎暮らしで避けて通れないのが、虫との戦いです。自然が豊かな分、人間の生活圏にも彼らは容赦なく現れます。
都会のマンションに住んでいた頃は、年に1度ゴキブリを見るかどうか。
年によってはカメムシが大量発生することもありましたが、対策が必要なのはそれくらいでした。
なお私は虫が苦手です。どれくらい苦手かというと、1人暮らしの時にブロッコリーについていた小さい青虫で泣き喚き、隣人が「殺人事件が起きたと思った」と助けに来てくれたほど。
かくゆう夫も苦手です。どれくらい苦手かというと、肩についた埃を取ろうとしたら虫だと勘違いしてその場で踊り(暴れ?)出すくらいです。
そんな私たちが立ち向かう木造戸建ての虫、何が出るのかというと。
ゴキブリ、アブ、ムカデ等々、実に多種多様。そしてラスボス級にでかい。
(お風呂に出てくる虫がいまだに何かわからないんですけど、検索すると画像まで出てくるのが嫌で特定できてません。)
ブラックキャップやムカデホイホイなどの毒餌を撒くにしても、家が広いのできちんと結界を張ろうと思うと2箱くらい要ります。
そして突破してくる勇敢な敵用に殺虫剤も。
家には可愛いニャンコがいるので凍らすタイプを愛用しています。
まとめ:結局いくらかかった?
結局総額でいくらかかったのよ?という人のために、ここまでにお話しした費用を表にまとめてみました。
項目 | 単発費用 | 年間費用 |
家の修繕費 | 250,000円 | – |
防寒対策 | 100,000円 | 20,000円 |
隣組費 | – | 20,000円 |
汲み取り費用 | – | 40,000円 |
車関連費 | 700,000円 | 170,000円 |
虫対策 | – | 7,000円 |
合計(初年度) | 1,050,000円 | 255,000円 |
田舎暮らしはゆったりとした時間や豊かな自然に恵まれている一方で、目に見えにくい出費もたくさんあります。
今回表にまとめたことで、総額がわかって私も今、白目を向いています。
これは想定外の出費だけを集めたものなので、さらに引越し費用や粗大ゴミの処分代など、想定内の出費も加えると…なかなかパンチが効いてます。
地方移住を考えている方は、一覧表などを参考に、ご自身の地域でかかりそうな費用をあらかじめ見積もっておくと安心です。
この体験談が、これから地方への移住を考える人にとって、現実的な参考材料になればうれしいです!
そのために鹿とぶつかって修理費20万払ったんだから!!(違う)
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